だから美味しい、真崎(まさき)のわかめ
わかめへの愛情がちがう
漁師の、我が子を育てるがのごとく手間暇を惜しまない姿に、真崎わかめの美味しさの秘密があります。
 わかめの養殖方法は、地域毎に多少の差はあっても基本的に同じです。そうなると、どこで差が生じるのか不思議に思うかも知れませんが、現実には種の違い、海の違い、天候の違い、育成方法の違い、加工方法の違いなど、実にさまざまな要素が絡み合っ て、味や香り、色、形、歯ごたえなどに違いが生まれます。

 では、真崎わかめの場合はどうなのでしょう。特別なことは何ひとつやっていないというのが正直なところです。あえて言うなら、当たり前のことを当たり前にきちんとやった結果、美味しいわかめにたどりついたということです。しかし、その当たり前のことをやり続けることが、じつは難しかったりするのです。

 たとえば田老町の場合、わかめは水面下50センチくらいの浅いところに、その位置を保ちます。わかめの成長度合いとわかめの深度はとても深い関係にあり、水面下50センチの位置に保たなければ、良質なものが育たないためです。ところが、相手は三陸の海。海が荒れれば、養殖台を固定している重りがずれ、わかめが根付いている養殖ロープがたるむこともしばしば。また、潮の干満にも合わせなければなりませんし、成長期になると、わかめはひと晩で3〜6センチも伸びます。こうした変化に対応するため、漁師は毎日のように養殖場まで船を走らせ、フロート(浮玉)を減らしたり、増やしたりしながら、わかめの位置を調整します。悪天候であろうと、海が荒れていようと怠ることはないのです。

 また、わかめは野菜などと同様で、必要に応じて成長の悪いわかめを間引いたりします。そうしなければ周囲のわかめの成長に影響が出るからです。こうした作業も、養殖台が200メートル四方と聞けば、決して楽な作業ではないことがわかるはずです。さらに、水揚げは午前0時から夜明けまでを基本としています。これは日光によって、わかめの葉を乾燥させないためで、美味しさを保つための配慮なのです。

 このように、来る日も来る日もわかめに目を配り、語り合い、手塩にかけて育てている漁師。その漁師の愛情がたっぷりと注ぎ込まれた真崎わかめは、他のわかめに負けないだけの美味しさを手に入れるのです。

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深夜の海は漆黒の闇の中。日中より作業が不自由でも、わかめを太陽光にさらしたくないという思いのほうが勝っています。

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加工場に運ばれるわかめの原藻。湯通しをすると、この茶褐色が鮮やかなグリーンに変わります


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